池澤夏樹「きみのためのバラ」

きみのためのバラ
久々の短編集らしい。表紙のインパクトがある、バラの花が美しい。
短編ひとつひとつを毎晩一篇ずつ読んでいく。
至福の時間。最後の短編きみのためのバラは、地下鉄内の妻との
会話のリアリティから記憶を辿っていき、バラを渡すところまで、
とても印象深い作品であった。
この作家はスティルライフ以外は長編しか読んでこなかったが、
いよいよ全作品にトライする時期が私の中に来たのかもしれない。