-003-辻井喬「暗夜遍歴」

辻井喬こと堤清二の母親を機軸に、家族の、いや家族とは呼べない、
一族の成り立ちを辿る。歌人としての母親がそれによりバランスを
保っていたことを、堤清二は理解し、自分も同様に詩作や小説を
書くことによって、経済活動がなしえたのであろうと思わせる。
「彷徨の季節の中で」「暗夜遍歴」「父の肖像」で三部作という
ことなのだろうか。