三島由紀夫「奔馬」

奔馬―豊饒の海・第二巻 (新潮文庫)
豊饒の海第ニ作。前半は右翼テロリストの純粋さが
語られ、このまま決起するかと、三島の最期と重ね
合わせるように思われたが、後半、一気に話は展開し、
俄然ストーリー展開の面白さに引き込まれる。思想的
とか政治的とかでない物語として、しかも脇役達が
みな際立っている、ほんとうにうまいなあと思う。
「春の海」は上出来だと思ったが、これもうならせた。