池澤夏樹「スティル・ライフ」

スティル・ライフ (中公文庫)

スティル・ライフ (中公文庫)

ようやく彼の出世作を読む。
長編詩のような美しい文章と静謐な世界は
寝ころがって読むのを正させ、いつもは
目読というか文章をかたまりで読むのに対して、
これは文章を読ませてしまう。
好きかどうかはむつかしいところだが、
詩人でもあった彼の小説の原点なんだろう。
併催の「ヤー・チャイカ」はとても面白く
読んだ。大好きな「すばらしい新世界」もそう
だったが、彼はこどもの描写がうまいんだ。
いずれ、マスアスギリも花を運ぶ妹も
読むことになるんだろうな。楽しみだなあ。