2020-01-01から1年間の記事一覧

時間の流れ

これは書いた話だったか。 時間というものを川の流れに例えると、未 来は川上か川下か。 なんとなく川下が未来だ、これから流れて いくのだからとイメージしていたのだが、 川上が未来だという人もいる。 川上の水はこれからここにやってくるのだ かららしい…

原田マハ「あの絵のまえで」

いつもの美術題材の短編集。このジャンル を切り拓いた彼女はなにを書いても許され る世界がある。ここからその絵を見に行く、 羨ましい限り。 〈あの絵〉のまえで 作者:原田 マハ 発売日: 2020/03/18 メディア: 単行本

クラウディア・カルディナーレ「ローマ発、しあわせ行き」

軽いタッチのイタリアのコメディラブロマ ンス、疲れた時にボーと見る。 こまかい展開はどうでもいい、老母が徐々 に大事な役どころになっていく、最後は主 役に。しわしわのおばあちゃんなのだが風 格を感じる。あとでwebを見たら、なんと クラウディア・カ…

山田洋次「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」

リリー三部作の3つ目、いちばん人気のある 作品といわれ、ようやく見た。48作いや今 では50作というんだろうか、もうどれをみ ていないか曖昧になってきた。 やっぱり一緒になれない寅さんとリリーの 哀しみが喜劇のなかに一本通っていてよく できてる、鍛え…

三浦しをん「風が強く吹いている」

箱根駅伝を舞台にした大学生のファンタジ ースポーツ小説である。現実にはありえな いなどと思って読んではいけない。その前 提で主人公二人の走ることの爽快感、美し さみたいなものが伝わってくる、読んでい て気持ちがいい。勝ち負けではない強さと いう…

辻原登「闇の奥」

これはむつかしかった。現実と虚構が、フ ィクションとノンフィクションが入り混じ り、理解できないままに物語は進んでいく。 サリンジャーの笑い男(ナイン・ストーリ ーズ)がうまく私の中で消化できず、カレ ー中毒事件もCIAも出てきて、後半、女医 さん…

「赤毛のアン」1985年版

わたしの中では文学少女が最初にはまる本 は「若草物語」か「赤毛のアン」かなと思 ってきた。前者は、今年の初夏にたまたま 古い映画を見て、さらに「ストーリー・オ ブ・マイ・ライフ」を観に行って、本も読 んで納得したのだ。そして後者はたまたま テレ…

メグ・ライアン「めぐり逢えたら」

テレビで放映されていたので懐かしく再見。 1993年というので多分1994年にレンタル で見たのだろう。1995年にNYへ行ったと き、エンパイアステートビルへ上り、この 映画のシーンはここだと感慨深かったと同 時に、アメリカのお上りさんが観光すると ころな…

ヨシタケシンスケ「りんごかもしれない」

ロングセラーになっているヨシタケシンス ケの絵本、知らなかったがそういえば書店 でみたことがある、彼のイラストも絵本売 場じゃないところでもみたことがある。 その第一作が「りんごかもしれない」。 絵本にしてはかなりの盛り沢山の情報とい うかアイ…

マーチン・スコセッシ「沈黙ーサイレンスー」

篠田正浩の映画「沈黙」を観て、遠藤周作 の「沈黙」を読んだのは大学生のときだっ たと記憶するが、宗教、キリスト教への関 心もなくただ死よりも宗教のが大事という 信仰にはついていけず「踏めばいい」とい う言葉に強く共感したのだが、それでも映 画に…

長谷川恭男憲法教室

昨日と同じ岩波新書高橋源一郎「読んじゃ いなよ」から長谷川恭男の教室。この人の 東大退官の挨拶文(web、今はない)が興 味深かったし、アメリカンロックが好きで ベースを弾いてたことがあるとか普通の生 活もあるんだと。さて憲法をロジックに説 明する…

鷲田清一哲学教室

岩波新書「読んじゃいなよ」を読んでいて、 その第一章が鷲田清一。 彼はこれから大事なのは哲学とアートだと 云う。アートは人と同じものを描いたらけ なされるけど、人と違ったら感心される、 これは民主主義の根幹にある精神であると。 そうか、哲学とア…

スティーブ・マックイーン「ネバダ・スミス」

1966年作品だから西部劇もかなり垢抜け てきて現代的になっている、マックイーン も現代の顔をしている。両親を虐殺された 犯人を追っかけて復讐をする物語なのだが、 読み書きを教える銃商人や宗教を授ける神 父と出会い徐々に大人になっていく成長物 語に…

辻原登「発熱」(上)(下)

このコロナ渦の半年は、辻原登マイブーム の半年だ。今回は「発熱」、日経新聞に連 載していたものだそうだ。だから金融業界 の戦いの話で、その中身は読んでもまるで わからない。大金持ちのフィクサーたちの 金満暮らしぶりの中で大切な人にだけ純愛 を貫…

チャールトン・ヘストン「エル・シド」

カトリック勢力とイスラム勢力が衝突を繰り 返すスペイン、イベリア半島で、11世紀に現 れた英雄の物語。スペインの歴史なんてまる で知らない、ハプスブルグ家の大航海時代や フランコ独裁くらいか、だからイスラム圏で あったあたりは皆目わからない。だか…

丸谷才一「笹まくら」再読

昔に読んでわたしのオールタイムベストい くつに入る大事な小説を再読。 現在(といっても60年代)と戦争中を行も 空けずいったりきたりする、現代がちょっ と冗長すぎるなと思いながら読み進めるが、 次第に戦争中の忌避中のディテールが明ら かになってき…

125:榊

この榊にはすこし興味深い話があるんだけ ど、それは別の機会に。

124:紅葉

もう一枚。下手の横好き。

123:ペンタス

本も映画も版画も飽きたら水彩である。 ペンタスという花ははじめて知った、 長く咲いている。

一万人の第九2020その2

参加の説明を読んで、早速、お手本動画を 見ながら歌ってみた。いわゆるMのつぎの 595小節から心もとない、忘れてしまって いる。あと大声をだせる環境作り、いつな ら迷惑かけないか、マンションと違って今 回は戸建てなので外にも聞こえるし。 本締切が11…

ロマン・ポランスキー「戦場のピアニスト」

ポランスキーの「戦場のピアニスト」を3 日間かかって見た。昼下がりの家族室での んびり見る映画ではない、前半中盤持続し て見られなかった。ポランスキーは自身の 体験からも怒りのそして哀しみの映像を成 したといえる。ポランスキーは名作ぞろい の巨匠…

オドレイ・トトゥ「ニューヨークの巴里夫(パリジャン)」

フランスコメディ映画。「スパニッシュ・ アパートメント」「ロシアン・ドールズ」 に続く三部作の三作目といっても、見たこ とはなくこれがはじめて。なかなか面白い、 元カノ2人の登場と妻との離婚、偽装結婚 とてんやわんやなんだけど、この主人公は な…

ジョニー・デップ「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」

ジョニー・デップらしい荒唐無稽なコメデ ィ。評価は低いようだがわたしは気に入り ました。ここまでへんてこに作れば作風だ と思う。妻役が見たことがあるなあとずっ と考えていたがwebで調べたら「恋におち たシェイクスピア」(なんと1998年、20 年以上前…

未公開映画

毎日いくらか読書し隔日くらいで映画を見 る。ここに書き留めておかないとどんどん 忘れてしまう、だからほぼ毎日書くことに なる。もちろん書かなかった本も映画もい くつもある、ここずっと続けて日本未公開 映画を見た。ロバート・デ・ニーロ「ダー ティ…

安野光雅「私捨悟入」

安野の最新エッセイ集。 年老いても好奇心にあふれ知識欲も旺盛で ある。長生きしてください。私捨悟入作者:安野 光雅発売日: 2020/08/20メディア: 単行本

ハンフリー・ボガート「黄金」

最後に主演ボガートが死んで、残り二人が 生き残るとはハリウッドらしくない、驚い た。カサブランカで二枚目を演じたボガー トがこんなハードな映画に出るとは(そう いえばアフリカの女王もそうだな)監督ジ ョン・ヒューストンとの強い信頼なんだろ う。…

平野啓一郎「空白を満たしなさい」(上)(下)

死んだ人間が生き返る、主人公は自殺だっ たのだが生き返り、自分がそうした理由が わからない、殺されたと考える。そのこと で家族も職場も巻き込み、読むのを中断で きないほどスリリングに展開していく。 作者の考え方、分人、分人主義という考え が織り…

ノリユキ・パット・モリタ「ベスト・キッド」

人気のある有名な映画だが見たことがなか った、テレビで放映したので録画して見た。 ロッキーの監督らしいよくできた映画だ。 モリタさんの日本人がアメリカ人にとって は謎のキャラとして面白さを倍増させてい るのだろう。中国人のようで実は日本人、 で…

会田誠「げいさい」

美術家の会田誠がどんな小説を書くのか興 味を持って読んでみた。美術大学、芸術教 育、美術予備校の様子、とくに受験絵画と いうものへ批評、批判を物語に落とし込ん で面白く、ためになった。 芸祭に絡む会話、議論は斜め読みをしたが、 最後の方で恋人が…

スパイク・ジョーンズ「her/世界でひとつの彼女」

近未来、進化したAIと疑似恋愛をし、本 当の恋愛になっていく。AIはさらに進化 し自分でものを考えるようになる、そし て失恋。よくありそうな話をかなりのリ アリティをもって映像化する、細かいデ ィテールを描く。そこは十分に面白かっ た。結局旧友のエ…