2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

リチャード・リンクレイター「6才のボクが大人になるまで」

去年のアカデミー賞作品賞の候補になった 作品だとは知っていたが、うーん、これは なかなか腹持ちのする映画であった。監督 のリンクレイターの名前を知らなかったが、 「ビフォアサンライズ」「ビフォアサンセ ット」「ビフォアミッドナイト」三部作の 監…

高村薫「冷血」(上)(下)

久しぶりの合田雄一郎の活躍。そして高村 薫は「晴子情歌」「新リヤ王」「太陽を曳 く馬」の難解3部作を越えて、再び物語性 のある作品を書いたかと期待して読む。 上巻前半は被害者親子の生活、日常を丹念 に綴り、一方加害者の暮らしぶりもこれで もか書…

「ミッチとコリン友情のランド・ホー」

テレビから録画してあったアイスランドの 映画のようだ。義兄弟の老人二人がアイス ランド旅行により人生を見つめなおすとい うか行く末を考えるというかそういうちょ っと風変わりな、とくに事件が起きるわけ でもない淡々とした映画だった。 うまく枯れて…

カトリーヌ・フロ「偉大なるマルグリット」

去年あたりから見つけて好きになったフラ ンス女優カトリーヌ・フロの主演映画を、 シネリーブル梅田で見てきた。 しかもオペラのアリアを歌うのだからこれ はと思ったのだが、いやはやこれはなんと いうか、ここまでやるかと。夜の女王のア リアからぶっと…

鷲田学長式辞

京都市立芸術大学の卒業式での、鷲田清一 学長の式辞がまたまたすばらしい。 芸術とはなにかである。 どこの芸大でもこんなパフォーマンスのよ うだが(金沢美術工芸大学がアートだ)、 それを大学HPに掲載する度量もすばら しい。幸福感に満ちた光景であ…

名古屋市美術館「東京藝術大学コレクション展」

久しぶりに名古屋市美術館へ。 藝大の卒業制作及び所蔵品を、「麗しきお もかげ」というコピーの日本近代美術の女 性像をテーマにした展覧会。 あたりまえではあるが知らない画家がいっ ぱいいて、特に新しい世界を開こうとした 洋画の先達たちの格闘を見る。

司馬遼太郎「街道をゆく台湾紀行」

先日片付けをしていたら、昨年台北へ行っ た後で読もうと買っていたのにしまいこん でいたのがが出てきたのであわてて読んだ。 いつもの博覧強記で日本が領土としたより 前の歴史をはじめて知り、また先住民族の ことも知ることとなった。 以前台北へ行った…

ドミニク・クーパー「2月の夏」

アルフレッド・マニングスというイギリス の画家はまるで知らないが、その実話に基 づいた物語らしい。なぜ今そのストーリー が求めらたのかよくわからない、ふたりの 男の間を揺れる女性の心理はさもありなん と思うが、悲劇的結末からすれば、これは 女性…

東京ステーションギャラリー「モランディ展」

モランディはずっと気になる画家だった。 それではじめて多くの作品を見られるとあ って、しかも好きな美術館、便利な美術館、 出張の合間に見てきた。 静謐な、淡い色遣いの静物、瓶、花瓶その 他、ところが多くのバリエーションを見て いるうちに圧倒感と…

エディ・レッドメイン「博士と彼女のセオリー」

ホーキング博士の生涯、特に学生時代から 恋愛、結婚生活を、博士と妻の両者の立場 から描いた作品。とにかく妻となる女性の 強い意志、博士を支え、子どもを育て、い かにも妻の鑑をたたえる映画とおもいきや、 なんと離婚。事実なのか脚色しているのか 知…

北村薫「いとま申してー童話の人びとー」

出張のお伴にさらに北村薫。 作者のお父さんの日記をもとに、その時代 を丹念にたどっていく、そこに同人誌「童 話」にかかわる市井の人々の様子が記され、 戦後の漫画作家達を思わせる創作の苦しみ 喜びを垣間見る。昭和初期のつかのまの文 化的な平和な時…

北村薫「飲めば都」

ついでにもう一冊。 軽快でどんどん読める。まあ、都心のエリ ート出版社社員の話なので、深く共感とは いかないが病み上がりの身にはのんびり読 むことができた。そういう週末だった。

北村薫「八月の六日間」

抜歯をしたせいかわからぬが39度の高熱 が出てインフルエンザかと思ったら翌日は 熱が下がり、その間、布団の中でこの本を 読んだ。 山ガールという言葉があるらしく、その彼 女が単独山行する話なのだが、とても気持 ちよい晴れやかな気分になった。ちょ…

鷲田清一「京都の平熱」

講談社学術文庫とのいうのは初めて買った かもしれぬ。この人をもう一冊読んでみよ うと探したら京都生まれ京都育ちのこの哲 学者が京都の町を愛憎深く語るエッセイが あったので購入。知っている場所やお店が いろいろ出てきて楽しくて、勉強になって、 思…

歯治療の2月

週一回にしても歯医者へ通うのは面倒であ る。しかも結果治療できないことになり、 3月に抜歯することとなった。二十歳ごろ に歯医者にこのままいったら50、60で 総入れ歯だぞと脅され、それからそれなり に注意を払ってきたつもり。親不知を抜い た以…

興福寺国宝館

興福寺の国宝館へはじめて行った。 なかでも有名な阿修羅像はさすがにスーパ ースター、8体揃って乾漆八部衆立像(国 宝)というらしいが、鳥頭の像、頭と首に 蛇を巻いた像ほかすべていわゆる仏像とは 思えない、いやはや凝視してしまった。 また、乾漆十…