2015-01-01から1年間の記事一覧

米林宏昌「思い出のマーニー」

テレビ放映されたので録画して見た。 許すをテーマにした映画なのか。 マーニーの不可思議な行動を許す。母を許 す。太った女の子は主人公を許す。許すこ とで、寛容になることで、自分の心を開い ていく。話はなかなかいい加減のように思 えるのだがそれは…

平田オリザ「わかりあえないことから」

コミュニケーション能力とは何かと副題に あるように、わかりあえないことを前提に、 コミュニケーションの問題を解きほぐして いく、うーんとうなった一冊。 たしかに仕事でコミュニケーション能力を 求め、世の中はそういう人たちが競いあっ ているように…

「ウィークエンドはパリで」

レンタルで見た映画、ノッテングヒルの恋 人の監督というので軽やかなおしゃれな映 画かと思ったら、なかなか重い映画だった。 ロンドンからユーロスターで週末にパリへ 行くというのは、東京から週末に京都へ行 くくらいの感覚なのだろうか。 老域にさしか…

連休疲れか

大丸心斎橋店の絵画市を見に行った。ヴォ ーリズ建築の大丸を建て換えする前の大セ ールのようで本館4階のワンフロアを使っ て1000点の絵画らしい。絵がほしいと いうマイブームもなくなっているので、絵 画鑑賞のつもりで、浅井忠とか藤島武二と か売…

藤沢周平「三屋清左衛門残日録」

うまい、おもしろいと認めたい、だから藤 沢周平にはまだ近寄らないようにしている のだが。 しかしファンタジーである。小藩のエリー ト高級官僚から隠居し、子供夫婦に大事に され、かつての職場からはいまも頼られ、 武道はできて、残日録とは云い難い。 …

韮崎大村美術館

ノーベル賞は、田中耕一さん、益川敏英さ んと、やっぱり規格外の人に勝手にシンパ シーを感じるのだが、今回の大村先生は努 力の人だったとしても、まっとう王道の学 者だと思ったら、趣味が絵画収集で美術館 まで建ててしまったというところで一気に 関心…

ぐずぐずと9月

何年か振りに風邪をひき熱を出して、シル バーウィーク5連休をフル活用できなかっ た。今年は残暑は厳しくなかったが、から だもこころもぐずぐずしていて、まあ永田 町あたりの気分もあるんだけど、そんなん で月日が過ぎていくのはつまらんとわかっ てる…

瀬戸内寂聴「寂聴仏教塾」

京都の東寺にはじめて行って、空海が住ん でいた御影堂の前に司馬遼太郎の立札を見 つけ、彼が好きだった場所だと知った。 そういえば「空海の風景」という小説があ ったな、それにもうすぐ高村薫の「空海」 という小説も出るようだな、と思っていた ところ…

佐々木譲「警察庁から来た男」

ちょっと病み付きになってきた佐々木譲。 タイトルはそのまま、警察庁からバリバリ のキャリヤが来て、内部の腐敗を始末する というわかりやすい展開ですんなり読めた。 車中で読み終えてしまって時間をもてあま してしまった。 でもキャリヤなんだからな、…

大阪市立美術館「伝説の洋画家たち二科100年展」

ひさしぶりに天王寺の美術館へ二科展100 年展を見てきた。文展から分かれて二科がで きたということらしいが、まだ西洋の模倣か ら手探りであたらしいものをつくりだそうと したことがわかる。宮本三郎がうまいと思っ たが、そばの安井曽太郎を見たらこれ…

高島屋ホール「クレパス画名作展」

クレパスとはクレヨンとパステルの長所を 併せもった画材だとは知らなかった。 そのクレパスを使って有名な画家たちが描 いた作品展を見た。小磯良平や三岸節子や どんな画材をつかってもうまいものはうま い、でもクレパスを有効に使った表現をし ている作…

contondo公演「夜と星と風の物語」

ひさしぶりに風邪をひき38度近い熱を出 し治りかけた日にこの芝居を観た。 あなたはピエールです。そう、わたしはピ エールになってこの別役実の世界に浸るは ずだったのに、対面式の客席、左壁にスク リーン、右壁に音響さん?、クラリネット とフルート…

村上春樹「職業としての小説家」

村上春樹がどうやって小説家となり、どの ように小説を書き、なんのためにかき続け るのか、などを正直に語る。かれが文壇や 出版界からさんざんたたかれていたなんて 一部を除いて知らなかったし、自分のやり たい方法を貫けるほど認められてきたと思 って…

アレックス・ギネス「マダムと泥棒」

知らなかった、古いイギリス映画だったの で録画して見た。アレックス・ギネスが泥 棒の主犯で、ピーター・セラーズ他がその 仲間、マダム役はまるでしらない女優。コ メディでホラーでなんとも脚本がしっかり したストーリー、いかにも英国らしい作り。 堪…

京都市美術館「ルーブル美術館展」

9月末くらいで終了するルーブル美術館展 に行ったらものすごい人出だった。やっぱ り展覧会は早い時期に行かねばなるまい。 フェルメールの天文学者はともかくとして、 コローが何点かありよかった。系統立てて 見てみたいものだ。プーシェも色っぽくて よ…

地点「櫻の園」

京都の北白川今出川のアンダースローとい うホールで、劇団地点の櫻の園を観てきた。 平田オリザの青年団から出た地点は、今の 演劇界の最先端のようで、その彼らがチェ ーホフの櫻の園をやるというので出かけた。 アンダースローは地点の常設小屋でなかな …

岡本喜八「肉弾」

どうしていまごろテレビで放映するのか、 戦後70年だからか、ここまで悲惨を超え た滑稽な戦争を描いた映画をよく出してき たと思う。昔ATG映画はよく見たのだが これは未見、何とか見たいと思っていたの でようやく見られた。 ストーリーはほぼ知って…

吉田修一「平成猿蟹合戦図」

横道世之介君の爽快さを求めて、同じ傾向 の話らしい変な題名の小説を読んだ。 うーん、確かに登場人物は皆さわやかで好 感を持つのだが、根本的に殺人を犯した人 が裁かれず、代りに服役した人の立場は無 視され、安易に国会議員を作り出していく ストーリ…

佐々木譲「制服捜査」

出張にはやはりはずれのない本を選びたい、 と思いまたもや佐々木譲。 北海道の田舎町の駐在所に赴任した警察官 が、田舎の古い因習のなかでの事件を解決 していく連作短編集。まあ楽しみましたが やはり長編の方が好きかな。

夏バテの8月

お盆休みあたりから夏バテ模様だった。 ちょっと夜歩きの距離を延ばしたのだが、 三日坊主だった。ヨガ教室へ行き、体側を 伸ばしたりがきついけど心地よい、でもス イミングはいちども行けなかった。 「寂しさ」についてへらへら思いを巡らせ た夏でもあっ…

芸術新潮8月号

まるで知らなかったグリューネヴァルトと いう画家のイーゼンハイム祭壇画の特集号 である。だいたい気に入った特集の時だけ 購入する雑誌なのだがこれは気に入ったと いうよりなんだこれはという好奇心から手 に取り、2ヵ月くらい時間をかけてようや く読…

別冊文藝平田オリザ

平田オリザのことは先入観があった。 「その河をこえて、五月」をDVDで見た (2005年8月25日のブログ)だけで、あとは 静かな演劇とか云われる端正な地味な芝居 を作る人で、なぜか鳩山元首相の演説原稿 を書いて、最近はロボット演劇をしている ぐらいな…

スタジオジブリ「夢と狂気の王国」

レンタルショップで見つけてようやく見た。 ものづくりの現場はおもしろい、けれどそ れが十分に表現されていない、夢も狂気も なにかものたりない。宮崎駿の抱える葛藤 や矛盾はそこそこ表れているけど、NHK 特集で見たものを超えているわけではない。 …

寂しさの歌

昨日の「詩のこころを読む」を読んでいた とき、最後の方で金子光晴の「寂しさの歌」 が出てきた。茨木のり子はこの詩を代表作 と云い、私はまるで知らなかったけど。そ れでとても驚いたのだが、すこし前にwebで 平田オリザの三つの寂しさと向き合うとい う…

茨木のり子「茨木のり子詩集」

岩波文庫から谷川俊太郎編で茨木のり子の 詩集がでている。岩波文庫になるというこ とはずっと作品が残っていくことであり、 現代の詩人としてははやい登場といえるの ではないか。倚りかからずや自分の感受性 くらいや私がいちばんきれいだったときな どの…

茨木のり子「詩のこころを読む」

岩波ジュニア新書のこの本は、詩の入門書 として有名らしく、茨木のり子の誠実な解 説で、ほう、そういうところを読みとるの かと感心する。ロングセラーになっている 本だということがわかる。

原田マハ「シヴェルニーの食卓」

ようやく文庫になったので読んだ。 ドガ、セザンヌ、モネたちの側にいた女性 からみた画家の世界を見てきたかのように 書かかれた作品。モネの世界に好感を持つ が、やっぱり興味深いのはタンギー爺さん だな。ほんとうはどんな人なんだろうと興 味深い。

子どものためのシェイクスピア「ロミオとジュリエット」

この芝居のシリーズを見始めてからもう 20年近くになるのだろうか。それで今年 はロミオとジュリエット、加藤健一の息子 がロミオらしい。会場は天王寺の近鉄アー ト館、昨日の夜公演、ほぼ満員の入り、た だし子ども達はちらほら、ほとんど大人達。 さて…

佐々木譲「廃墟に乞う」

なにか寝ころがって読むかなあと思って、 またも佐々木譲。これは短編集、テレビド ラマになりそうな話、知らなかったけどこ れが直木賞受賞作。

野田秀樹「エッグ」

テレビで放送していたので録画して、今日 日曜の夕方に見た。スポーツと音楽が熱狂 を演出しどこかで利用されている、その話 が後半、満州国、731部隊につながって いく。寺山修司のオマージュもあるのか、 それも絡みながら、複雑に話は展開してわ かり…