ウィリアム・フリードキン「エクソシスト」

1974年日本公開、映画好きの大学生だった

がこれは見たくなかった、友人たちは見て

きてすごかったと云ってたのでよけいに見

なかった。その後、「オーメン」(グレゴ

リー・ペック)、「シャイニング」(ジャ

ック・ニコルソン、キューブリック監督)

は映画館で観ているので、やはり最初のオ

カルトホラー映画のインパクトは大きかっ

たのだろう。それで40余年目にしてはじめ

て見た。

ストーリーがあってなかなかホラーになら

ない、よけいに怖い、そして40余年前の映

像なのにホラー度は高い。カトリックの神

父が信仰を棄てようとする、迷っている、

悪魔祓いの儀式の中で神を取り戻し最後の

結末になる。最初に出てくるのが悪霊バズ

ズであり、これが少女に憑依したのか、イ

ラクで発見されたバズズキリスト教に関

係しているのかよくわからず。

なぜこれを見ようと思ったのか、さきの「

アデライン、100年目の恋」にエレン・バ

ースティンを久しぶりに見たので、そうだ

彼女が出ているエクソシストだと思った次

第。これがハードだったから次にハートフ

ルな「アリスの恋」と「ハリーとトント」

に出演したのだろうか。

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ロバート・デ・ニーロ「ブロンクス物語/愛につつまれた街」

1993年ロバート・デ・ニーロ監督作品。

ブロンクスのイタリア移民の町の地元マフ

ィア役のチャズ・パルミンテリの戯曲を自

ら脚本にしデ・ニーロが映画化した、パル

ミンテリは「ブロードウェイと銃弾」での

用心棒だそうでそういえばという感じ。

ちょうどデ・ニーロの子供時代と重なり、

少年青年の成長物語となっている、父親が

黙って見守る、云う時は云うという姿はか

っこいい限り。地元マフィア親分がなぜ少

年を息子のように扱うのかその背景が欲し

かった。

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「僕のワンダフルライフ」

 クリスマスの夜くらいお気楽な映画を見よ

うと人と飼い犬との交流を描いた、しかも

輪廻というか前の記憶を覚えている犬の話

で、まあ楽しく見た。デニス・クエイド

でてきてあれあれ関根勤に似ているなとど

うでもいい感想。ところでもうひとつ前の

記憶は覚えていないのかな。

 

村上春樹「アンダーグラウンド」

コロナ禍で今年は大作をいくつか読もうと

思っていた。漱石読破は手付かず、カラマ

ーゾフは読了、予定外の三体を読了、そし

村上春樹の未読であった地下鉄サリン

2作品は片方だけようやく読んだ、ずいぶ

ん時間がかかった。

テレビを見てないので全貌を知らなかった

が、死者何名重傷者何名という数字ではな

く被害者ひとりひとりの声を書き留めると

いう作業はたいへんだったと思う。村上春

樹の気持ちが交差する深く入り込むところ

がありそこはすこし違和感をもったが、概

して節度を持って記録されている、テレビ

報道や週刊誌とは大違いだと思う、きっと。

被害者となる会社員たちはそんな状況でも

ほとんど会社へ行こうとする、その律義さ

にほとほと感心する、社会はこうして成り

立っているのだなとつくづく納得する。

もう一冊の方は読むだろうか、未定。

 

平松洋子「サンドイッチは銀座で」「ステーキを下町で」

平松洋子はすこし気になっていたがようや

く読んでみた。なかなかしたたかなエッセ

イストだ、ただお店に行っておいしかった

とか旅に出てこんなもの食べたとかのエッ

セイではない、なんという楽しい文章。

いやいい文章というのは違う、芸のある文

章といおうか、感心したぞ、面白かったぞ、

それを食べたかったぞ。

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ハリソン・フォード「アデライン、100年目の恋」

まるで知らない映画だったが、ハリソン・

フォード、エレン・バースティンがでると

いうので見た。アイデア勝負の映画、歳を

取らない、年老いない女性の人生、とても

興味深かったが、名前を変えて生きる、パ

スポートも偽造する、投資で成功し暮らし

ているような場面もあったが、もっといろ

んな困難があったはず。恋愛にフォーカス

しているのでちょっともったいない。老い

ない主人公の娘、年老いた娘が久しぶりの

エレン・バーンスティン(1974年のアリス

の恋、ハリーとトント、よかったなあ)、

年令が逆転していてうまい。ハリソン・フ

ォードはなかなか出番なく、いよいよ衝撃

の出会い。ちょっと厚みはなかったように

思えるが面白かった。