夏目漱石「倫敦塔・幻影の盾」

 11冊目。

「猫」を書き始めて、並行して書かれた初

期の短編をまとめたもの、まだ試行錯誤の

頃なんだろうか。倫敦塔は以前読んだこと

がある、漱石がロンドン留学してすぐに訪

問した感想文である。昔行った時のなんと

もいえない暗い歴史の淀んだ空気感を思い

出す。カーライル博物館はカーライルに馴

染みがないのでよくわからない、その後の

短編は読み通せない、挫折ですと正直に記

しておく、以上。

倫敦塔・幻影の盾 (新潮文庫)

倫敦塔・幻影の盾 (新潮文庫)

 

 

 

立春

環境が変わり、水が変わり、と勝手に乾燥

肌になった理由をつける。いくらかまし

なってきたので、1ヶ月半以上振りにスイ

ムに行く、なんと息切れする、500m泳

ぐのがやっとである、いちから立て直しし

なければ。

アメフトのスーパーボウルの録画を見た。

ここしばらく見ていたのですこしルールが

わかってきた、一見たいしたことないと思

われるぶつかりあいが、お相撲さんがタッ

クルしたり、全速で走ったりと思えばすご

いことなんだろう。ペイトリオッツはボス

トンのニューイングランドのチームなんだ

な、と初心者の知識。

きのうは冬の終わり、恵方巻きには目もく

れず豆まきをして、きょうから春です。

 

夏目漱石「硝子戸の中」

漱石10冊目。「がらすどのなか」と思っ

ていたが「がらすどのうち」だったこと

をはじめて知った。

昔読んだことがあるが、まるで反応しな

かった記憶。あらためて読む、断片的な

できごとの随筆。死が身近にあることが

わかる、私生活を垣間見ることができる、

読者や講演の聴講者を気にしていること

等、漱石を理解するためには面白い。 

硝子戸の中 (新潮文庫)

硝子戸の中 (新潮文庫)

 

 

山本義隆「近代日本一五〇年」

維新後の明治からの富国強兵の流れが整理

されており、それが敗戦まで行き着くこと

を示している。知っていることも多かった

が、米との不平等条約のように朝鮮には不

平等条約を締結したことや、支配地でのイ

ンフラの役割等そりゃあそうだねと納得す

ることも多かった。福沢諭吉や当時の知識

人の言動は今のものさしでは計れないもの

でありその時代ではどんなに聡明な人でも

そういうふうに考えるのだなと理解する。

いまのわたしが考えることもいずれなにを

云ってたのかと思うこともあるのだろう。

科学者、技術者が戦中に行ってきたことが

およそ不問にされ戦後の復興に動かされて

いくのはなるほどと思わせた。

歴史を振り返るのにはいくつもの視点が必

要であり、孤高の山本義隆なのでこういう

視点であると同時に、並行して別の視点が

あること、たとえば坂の上の雲であり、あ

るいは戦後の経済成長の評価であり、ひと

つに収斂されないことが大事だと思う。 

 

夏目漱石「坑夫」

漱石読破ミニプロジェクトをしていた。全

集を持っているのだが、もっと大きな活字

でと新潮文庫版読破をしようと思い、2005

年1月からはじめたのだが。

夏目漱石「それから」 - 風 信 子 日 乗

夏目漱石「門」 - 風 信 子 日 乗

夏目漱石「こころ」 - 風 信 子 日 乗

夏目漱石「坊ちゃん」 - 風 信 子 日 乗

夏目漱石「三四郎」 - 風 信 子 日 乗

夏目漱石「草枕」 - 風 信 子 日 乗

夏目漱石「文鳥・夢十夜」 - 風 信 子 日 乗

夏目漱石「二百十日・野分」 - 風 信 子 日 乗

8冊読んだところで、2006年2月から中

断。えー、あれから13年もたつのか。

ということで再開です。

最初は「坑夫」。ドキュメンタリー風の異

色の中編で、なんだか物語のない不思議な

話し、いや描写はたっぷり、状況描写も心

理描写も楽しませてくれる、悲惨なんだけ

どなんともいえない読後感。うまく云えな

い。 

坑夫 (新潮文庫)

坑夫 (新潮文庫)

 

 

 

 

 

是枝裕和「そして父になる」

テレビから録画して見た。重そうな題材な

ので敬遠していたがようやく見た。

 以前に見た「八日目の蝉」はとてもハード

であったが、こちらは淡々と進んでいく。

もっと深い葛藤と混乱があるはずなのに、

エリートの父はともかくとして、妻も相手

の夫婦もどうなんだろう。答えはだれのと

ころにもない、最善ということもないだろ

う。最後のあたりで相手の父がこどもにあ

たりまえのようにおかえりと云う。わたし

はそうだねと頷いた。

リリー・フランキーはなにげなさすぎる、

うまい。尾野美千子はいつ爆発するか心配

だった、押さえきった。

そして父になる

そして父になる

 

 

 

家のインフラ

きのうの朝からテレビがみられない、イン

ターネットがつながらない、固定電話がか

けられない、スマホが家のwifiで使えない、

と情報遮断となった。すべてフレッツ光

使っているので故障するとこういうことに

なるとわかっていたけど実際に直面すると

困惑した。きょうの午後、NTTが来て修復

していった、速いといえば速い、遅いとい

えば遅い、まあ、なけれなないでなんとか

なるのだけれど、通常はそういう暮らしを

しているということだ。

我が家はオール電化なので(震災前に切り

替えていた)これも実は困ったなあと思っ

ている。

うーん。