11冊目。
「猫」を書き始めて、並行して書かれた初
期の短編をまとめたもの、まだ試行錯誤の
頃なんだろうか。倫敦塔は以前読んだこと
がある、漱石がロンドン留学してすぐに訪
問した感想文である。昔行った時のなんと
もいえない暗い歴史の淀んだ空気感を思い
出す。カーライル博物館はカーライルに馴
染みがないのでよくわからない、その後の
短編は読み通せない、挫折ですと正直に記
しておく、以上。
11冊目。
「猫」を書き始めて、並行して書かれた初
期の短編をまとめたもの、まだ試行錯誤の
頃なんだろうか。倫敦塔は以前読んだこと
がある、漱石がロンドン留学してすぐに訪
問した感想文である。昔行った時のなんと
もいえない暗い歴史の淀んだ空気感を思い
出す。カーライル博物館はカーライルに馴
染みがないのでよくわからない、その後の
短編は読み通せない、挫折ですと正直に記
しておく、以上。
維新後の明治からの富国強兵の流れが整理
されており、それが敗戦まで行き着くこと
を示している。知っていることも多かった
が、米との不平等条約のように朝鮮には不
平等条約を締結したことや、支配地でのイ
ンフラの役割等そりゃあそうだねと納得す
ることも多かった。福沢諭吉や当時の知識
人の言動は今のものさしでは計れないもの
でありその時代ではどんなに聡明な人でも
そういうふうに考えるのだなと理解する。
いまのわたしが考えることもいずれなにを
云ってたのかと思うこともあるのだろう。
科学者、技術者が戦中に行ってきたことが
およそ不問にされ戦後の復興に動かされて
いくのはなるほどと思わせた。
歴史を振り返るのにはいくつもの視点が必
要であり、孤高の山本義隆なのでこういう
視点であると同時に、並行して別の視点が
あること、たとえば坂の上の雲であり、あ
るいは戦後の経済成長の評価であり、ひと
つに収斂されないことが大事だと思う。
テレビから録画して見た。重そうな題材な
ので敬遠していたがようやく見た。
以前に見た「八日目の蝉」はとてもハード
であったが、こちらは淡々と進んでいく。
もっと深い葛藤と混乱があるはずなのに、
エリートの父はともかくとして、妻も相手
の夫婦もどうなんだろう。答えはだれのと
ころにもない、最善ということもないだろ
う。最後のあたりで相手の父がこどもにあ
たりまえのようにおかえりと云う。わたし
はそうだねと頷いた。
リリー・フランキーはなにげなさすぎる、
うまい。尾野美千子はいつ爆発するか心配
だった、押さえきった。